愛犬がフローリングやカーペットでお尻をこすりつけながら、ズリズリと前進する姿を見たことはありませんか? 「お尻歩き」とも呼ばれるこの行動、一見コミカルで可愛らしくも見えますが、実はあれ、「お尻が痒くてたまらない!」というSOSサインなんです。
その原因の多くは「肛門腺(こうもんせん)」が溜まっていること。 ミニチュアダックスなどの小型犬は、自力で肛門腺を排出するのが苦手な子が多いため、飼い主さんが定期的にケアしてあげる必要があります。 放置すると、炎症を起こして化膿したり、最悪の場合は「肛門腺破裂」という痛々しい事態になってしまうことも…。
この記事では、初心者でも自宅でできる「肛門腺絞りの正しいやり方」と、失敗しないためのコツを解説します。 コツさえ掴めば、わざわざ動物病院に行かなくても、お家でスッキリさせてあげられますよ。
その「お尻歩き」、ただの痒みじゃないかも?
犬が肛門腺を気にする時の代表的なサインは以下の通りです。
【肛門腺溜まりのチェックリスト】
- [ ] お尻を床にこすりつけて歩く(お尻歩き)
- [ ] 頻繁にお尻を舐めている、噛もうとする
- [ ] 尻尾を追いかけてグルグル回る
- [ ] お尻から鉄臭い(生臭い)ニオイがする
これらの行動が見られたら、肛門腺の袋(肛門嚢)がパンパンに溜まっている証拠です。
【重要】ヘルニアとの違いを見極める
ここで一つ、絶対に確認してほしいことがあります。 「お尻を床につけている」のではなく、「後ろ足が動かず、引きずっている」状態ではないでしょうか?
もし、後ろ足に力が入っていない、足の甲が地面についているといった様子であれば、それは肛門腺ではなく「椎間板ヘルニア」の可能性があります。 悠長に構えず、すぐに病院へ行ってください。この見極めは非常に重要です。
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自宅でできる!肛門腺絞りの手順

肛門腺の分泌液は、非常に強烈なニオイ(魚が腐ったようなニオイ)がします。部屋で飛び散ると悲惨なことになるので、「お風呂(シャンプー)」のついでにお風呂場で行うのがベストです。
手順1. 尻尾を真上に持ち上げる
ここが最大のポイントです! 片手で尻尾の付け根を持ち、背中側にグイッと持ち上げます。こうすることで肛門周りの皮膚がピンと張り、中の「袋(肛門嚢)」が表面に浮き出て分かりやすくなります。 尻尾が下がったままだと、袋が奥に入り込んでしまい、うまく掴めません。
手順2. 時計の「4時」と「8時」の位置を探す
肛門を時計の中心に見立てると、肛門腺が入っている袋は「4時」と「8時」の位置(斜め下)にあります。 親指と人差指でそのあたりを優しく触ると、プリッとした小さな豆(またはブドウ)のような感触があるはずです。
手順3. 下から押し上げるように絞る
袋の感触を掴んだら、「奥から手前へ」「下から上へ」押し出すイメージで、優しく力を加えます。 爪を立てず、指の腹を使ってください。成功すると、茶色や灰色、黒っぽい液体(またはペースト)がピュッと出てきます。 出たらすぐにシャワーで洗い流しましょう。
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うまくいかない時の対処法と注意点

「やってみたけど出ない!」という場合、無理に続けるのは危険です。以下の原因が考えられます。
1. 分泌液が固まっている
分泌液の性状は個体差があります。サラサラの水っぽい子もいれば、粘土のようにドロドロの子もいます。 固まっている場合、素人の指の力では出せません。無理に押し出そうとすると炎症の原因になるので、その場合はトリマーさんや獣医師にお願いしましょう。
2. 位置がズレている
「4時と8時」といっても、体の大きさによって微妙に位置が違います。 また、そもそも「溜まっていない(排便時に自然に出せている)」可能性もあります。
3. 頻度は「月に1回」が目安
やりすぎは禁物です。肛門周りの皮膚はデリケートなので、頻繁に触りすぎると炎症を起こします。 シャンプーのタイミング(月1回程度)で確認し、溜まっていれば絞る、というスタンスでOKです。
まとめ:月に1回のケアで愛犬を快適に
ミニチュアダックスの肛門腺絞りについて解説しました。
- 「お尻歩き」は肛門腺が溜まっているサイン
- シャンプーのついでにお風呂場でやるのがおすすめ
- 尻尾を持ち上げ、「4時と8時」の位置を下から押し出す
- 無理は禁物。出ない時はプロに任せる(500円〜1000円程度でやってくれます)
最初は難しく感じるかもしれませんが、慣れれば数秒で終わる簡単なケアです。 愛犬が「お尻がかゆいよ〜」と訴えていたら、ぜひチェックしてあげてくださいね。スッキリすると、表情まで晴れやかになりますよ!

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